• (図1)ソーシャルインパクトを生み出す

  • (図2)ソーシャルインパクト(指標)を考える

  • (図3)ソーシャルビジネスの位置づけ

  • (図4)成長のステージ

K-NIC Social Business School
地域や社会の課題に対して、自ら培ってきた知識、経験、ネットワーク等を活かし、ビジネスの手法を用い収益もあげながら解決を目指す、ソーシャルビジネスによる起業に関心がある方が近年増えています。そうした方を対象とした、川崎市ソーシャルビジネス連続講座「『K-NIC Social Business School(全6回)」を2022年10月から12月にかけて、Kawasaki-NEDO Innovation Centerにおいて開催しています。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。

第6回 12月13日 ソーシャルビジネスモデル策定&フィードバック

本イベントではソーシャルビジネスを如何にビジネスとして成立させ、成長させていくか。事例を用いながらお伝えしていきます。第6回目の今回は、一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ アソシエイト・共同代表 土岐三輪 氏に語って頂きました。
簡単に概要を纏めましたので、気軽にご一読いただければ幸いです。

講師プロフィール

一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ アソシエイト・共同代表
土岐 三輪 氏
 
○経歴
新卒後、ITコンサルティング勤務の後、ベンチャー企業にて環境・CSRコンサルティングに携わる。NPOにて、東日本大震災における地域経済の復興支援事業に1年半、バングラデシュの農村における女性の収入創出事業に3年間従事。社会的インパクト投資、社会起業家支援のNPOを経て、2019年よりソーシャル分野におけるフリーランスとして独立。社会的インパクト・マネジメントを軸に、NPOの伴走支援、SDGsコンサルティング、ソーシャル分野の事業開発を手掛ける。グロービス経営大学院卒。

目次

・前回の復習
・ソーシャルビジネス(指標)を考える【実践ワーク】
・ソーシャルビジネスの位置づけ
・成長のステージ
・最後に

前回の復習

事業プランの作成について二つのコンセプトがありました。二つのコンセプトとは、ソーシャルコンセプトの側面とビジネスコンセプトの側面です。そのため、ソーシャルビジネスの事業プランの作成では両方を考える必要がありました。

ソーシャルコンセプト
 社会性の側面としてのコンセプトであり、課題と原因とその対策と実現したいビジョンを決め、ソーシャルコンセプトを決めます。
①社会課題の現状
②原因
③対策
④ビジョン

ビジネスコンセプト
 事業性の側面であり、マーケティングの4Pといったことを考えて、収益モデルを考え、ビジネスコンセプトを決めます。

①ビジネスモデル
②ペルソナ・カスタマージャーニー
③4Pフレームワーク
④ビジョン

ソーシャルビジネス(指標)を考える

ソーシャルインパクト(指標)とは目的をどれだけ達成したのかのモノサシです。何がどのように変化するのか、狙い通りに進んでいるのかを明らかにします。その中で、注意すべきことはソーシャルインパクト(指標)が目的とすり変わらないようにすることです。そのため、ソーシャルインパクト(指標)は目的に向かって近づいているかを確認するためのツールとして活用しましょう。

次に、ソーシャルインパクト(指標)は次の2種類の指標を設けておきましょう。2種類の指標は、事業の進捗を確認するための指標と事業の目的を確認する指標です。

事業の進捗の指標については、自分たちが活動を行っていくことで積みあがっていくものです。自分たちがコントロールできる数値のことで、イベント回数などが挙げられます。

事業の目的を確認する指標については、対象者の変化や地域の「あるべき姿」を表現するものです。自分たちがコントロールしづらいもので、就労した人の数や、犬猫殺処分の状況などといった、事業本来の目的を確認するためにあります。

ソーシャルビジネスの位置づけ

ソーシャルビジネスは社会性、事業性、革新性を持ち合わせたものです。実現したい社会を目的にし、継続的に可能にさせるための事業性。そして、この二つを両立させるために必要なのが革新性です。革新性とは、新たな社会的商品やサービスの開発により、社会性と事業性を支えます。

この、3つの性質を両立させるためにどういった法人格で実行していくのかは非常に重要です。例えば、社会性が高く、事業性が見出せない場合は慈善型NPOといった手法で取り組みます。

そのため、目的に合わせたガバナンス、マネタイズをするための法人格を選択します。また、複数の法人形態を持ち合わることも場合によっては必要になることがあるかもしれません。

成長のステージ

では、法人格にたどり着いたときこれからの成長をどのようにイメージすれば良いのでしょうか?

 まず、法人格にたどり着いたとき、成長のステップをイメージする事が重要になります。成長のステップとは主に下記の5つのステップがあります。
①創業
②シード
③アーリー
④ミドル
⑤レイター

 創業とシードの段階では、ニーズを特定しコンセプトを固めてプロトタイプを作ります。
また、プロトタイプが対象者にとって訴求できるものなのか、マネタイズができるものなのかを確定していきます。

また、それぞれの成長ステージに合わせた支援があるので、そういった支援を活用しましょう。

最後に

みなさまの一歩が社会を確実によりよくするための一歩なので、一緒にこれからの道のりを歩いて行きましょう。

この記事に関する問合せ先

団体名
川崎市経済労働局イノベーション推進部
電話番号
044-200-0168
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