K-NIC Social Business School
地域や社会の課題に対して、自ら培ってきた知識、経験、ネットワーク等を活かし、ビジネスの手法を用い収益もあげながら解決を目指す、ソーシャルビジネスによる起業に関心がある方が近年増えています。そうした方を対象とした、川崎市ソーシャルビジネス連続講座「『K-NIC Social Business School(全6回)」を2022年10月から12月にかけて、Kawasaki-NEDO Innovation Centerにおいて開催しています。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。
第5回 11月29日 ソーシャルビジネスのための資本政策
本イベントではソーシャルビジネスを如何にビジネスとして成立させ、成長させていくか。事例を用いながらお伝えしていきます。第5回目の今回は、KIBOW社会投資 インベストメント・プロフェッショナル 五十嵐 剛志 氏に語って頂きました。
簡単に概要を纏めましたので、気軽にご一読いただければ幸いです。
簡単に概要を纏めましたので、気軽にご一読いただければ幸いです。
講師プロフィール
KIBOW社会投資 インベストメント・プロフェッショナル 五十嵐 剛志 氏
○経歴
慶應義塾大学経済学部卒業、英国オックスフォード大学経営学修士(MBA)。 PwCあらた有限責任監査法人、内閣府、米国ハーバードビジネススクールImpact-weighted Accounts Initiative、英国政府系インパクト投資ファンドBig Society Capitalを経て現職。社会課題解決のためのファイナンスに関する調査、研修、政策企画に従事。Accountability for Change創設者。元Teach For Japan最高財務責任者。公認会計士。
○経歴
慶應義塾大学経済学部卒業、英国オックスフォード大学経営学修士(MBA)。 PwCあらた有限責任監査法人、内閣府、米国ハーバードビジネススクールImpact-weighted Accounts Initiative、英国政府系インパクト投資ファンドBig Society Capitalを経て現職。社会課題解決のためのファイナンスに関する調査、研修、政策企画に従事。Accountability for Change創設者。元Teach For Japan最高財務責任者。公認会計士。
目次
・はじめに
・どのような資金調達方法があるのか
・なぜ資金調達が必要か
・インパクト投資家からどのように資金調達を行うか
・どのような資金調達方法があるのか
・なぜ資金調達が必要か
・インパクト投資家からどのように資金調達を行うか
はじめに
今回は、社会課題を解決するための起業家たちがどのようにして資金を調達していけばいいのかをKIBOW社会投資ファンドの五十嵐剛志さんに解説していただきました。
KIBOW社会投資ファンドは、社会的インパクト投資を日本国内に広め、起業家の社外変革を支援するためにファンドを設立し投資活動を行っています。
「社会的インパクト投資」「インパクト戦略」「インパクトモデル」などインパクトという用語がたくさんでてきますが、ここでいうインパクトとは「事業活動の結果として生じた社外的な変化や効果」という意味です。
また、社会課題を解決するための起業家は目指す成長曲線によって2つのタイプに分けることができます。
1つは飛躍的な成長を目指すスタートアップタイプ、もう1つは安定的な成長を目指すスモールビジネスタイプです。
今回はスタートアップタイプの社会起業家が対象の講義となっております。
KIBOW社会投資ファンドは、社会的インパクト投資を日本国内に広め、起業家の社外変革を支援するためにファンドを設立し投資活動を行っています。
「社会的インパクト投資」「インパクト戦略」「インパクトモデル」などインパクトという用語がたくさんでてきますが、ここでいうインパクトとは「事業活動の結果として生じた社外的な変化や効果」という意味です。
また、社会課題を解決するための起業家は目指す成長曲線によって2つのタイプに分けることができます。
1つは飛躍的な成長を目指すスタートアップタイプ、もう1つは安定的な成長を目指すスモールビジネスタイプです。
今回はスタートアップタイプの社会起業家が対象の講義となっております。
なぜ資金調達が必要か
起業を進めていく上でどうしても避けられないのは資金面での問題です。
製品やサービスを作ったりそれを広めていくための広告費や諸々の経費、自分や従業員が生活していくための人件費が必要になるのは一般的な起業も社会起業も変わりません。
自社のサービスが軌道に乗って黒字化するまで、それらの経費がどんどん出ていくので自己資金が潤沢にある場合を除いて資金調達が必要になってくるわけです。
製品やサービスを作ったりそれを広めていくための広告費や諸々の経費、自分や従業員が生活していくための人件費が必要になるのは一般的な起業も社会起業も変わりません。
自社のサービスが軌道に乗って黒字化するまで、それらの経費がどんどん出ていくので自己資金が潤沢にある場合を除いて資金調達が必要になってくるわけです。
どのような資金調達方法があるのか
資金調達には一般的に助成金、株式、借入の3つの方法があります。
社会課題を改善する起業家にとってどの資金調達方法が適切かは目指す成長曲線およびその事業の発達段階によって異なります。
スタートアップタイプの成長曲線を目指す起業家にとっては株式での資金調達がメインの方法となってきます。
また、事業の発達段階は「計画」、「価値検証」、「収益モデル化」、「インパクト最大化」の4つのフェーズに分けられます。
このうち、KIBOW社会投資ファンドなどのインパクト投資ファンドが投資を行うのは事業が「収益モデル化」と「インパクト最大化」の段階です。
インパクト投資ファンドはインパクトと財務リターンの両立を目的とした投資ファンドです。
投資の際のインパクト評価のみならず、インパクトを最大化させるための支援も行っています。
社会課題を改善する起業家にとってどの資金調達方法が適切かは目指す成長曲線およびその事業の発達段階によって異なります。
スタートアップタイプの成長曲線を目指す起業家にとっては株式での資金調達がメインの方法となってきます。
また、事業の発達段階は「計画」、「価値検証」、「収益モデル化」、「インパクト最大化」の4つのフェーズに分けられます。
このうち、KIBOW社会投資ファンドなどのインパクト投資ファンドが投資を行うのは事業が「収益モデル化」と「インパクト最大化」の段階です。
インパクト投資ファンドはインパクトと財務リターンの両立を目的とした投資ファンドです。
投資の際のインパクト評価のみならず、インパクトを最大化させるための支援も行っています。
インパクト投資家からどのように資金調達を行うか
インパクト投資家から投資をしてもらうには以下の手順を進めていく必要があります。
①有望な投資家を特定する
②ピッチを行う
③デューディリジェンス(事業精査)を行う
このうち、最初の段階である有望な投資家を特定する段階から計画的に進めていくのが大事です。
①有望な投資家を特定する
投資家を選ぶ基準として5つの点で判断していくのが良いです。
(図1 投資家を選ぶ基準)
「結婚するのは簡単、離婚するのは大変」というように、起業家と投資家の関係も同じです。基本的に株式を売却するまで長い関係になるので、以下のような投資家には注意しましょう
・起業家に経緯がない
・社会課題に対する理解がない
・投資後の提供価値が不明
②ピッチを行う
ピッチの種類は主に3つありますが、その中でも投資家へのピッチは30〜60分程度のインベスターピッチを行います。
・ピッチのコツ
投資はほとんどの場合断られるのが普通なので、落ち込まず次に活かせるようフィードバックをもらいましょう。
(図2 ピッチのコツ)
ピッチの要点
投資家は以下の図の10個を見ています。中でも社会課題、顧客と製品・サービス、経営陣、財務実績が重要になってくるので必ず準備しておきましょう。
(図3 ピッチの要点)
資金調達は全体でおおよそ2〜3ヶ月必要になります。
起業家はピッチの後、資料準備、インタビュー対応、契約交渉・締結を行い着金を確認して資金調達が完了となります。
その間、投資家は資金調達に専念しましょう
③デューディリジェンス(事業精査)を行う
DDで必要な資料は以下の図にある通りで、これは絶対に必要になります。
(図4 DDで必要になる資料)
これから社会起業で資金調達を目指す起業家の方はぜひ参考にしてみてください。
①有望な投資家を特定する
②ピッチを行う
③デューディリジェンス(事業精査)を行う
このうち、最初の段階である有望な投資家を特定する段階から計画的に進めていくのが大事です。
①有望な投資家を特定する
投資家を選ぶ基準として5つの点で判断していくのが良いです。
(図1 投資家を選ぶ基準)
「結婚するのは簡単、離婚するのは大変」というように、起業家と投資家の関係も同じです。基本的に株式を売却するまで長い関係になるので、以下のような投資家には注意しましょう
・起業家に経緯がない
・社会課題に対する理解がない
・投資後の提供価値が不明
②ピッチを行う
ピッチの種類は主に3つありますが、その中でも投資家へのピッチは30〜60分程度のインベスターピッチを行います。
・ピッチのコツ
投資はほとんどの場合断られるのが普通なので、落ち込まず次に活かせるようフィードバックをもらいましょう。
(図2 ピッチのコツ)
ピッチの要点
投資家は以下の図の10個を見ています。中でも社会課題、顧客と製品・サービス、経営陣、財務実績が重要になってくるので必ず準備しておきましょう。
(図3 ピッチの要点)
資金調達は全体でおおよそ2〜3ヶ月必要になります。
起業家はピッチの後、資料準備、インタビュー対応、契約交渉・締結を行い着金を確認して資金調達が完了となります。
その間、投資家は資金調達に専念しましょう
③デューディリジェンス(事業精査)を行う
DDで必要な資料は以下の図にある通りで、これは絶対に必要になります。
(図4 DDで必要になる資料)
これから社会起業で資金調達を目指す起業家の方はぜひ参考にしてみてください。