K-NIC Social Business School
地域や社会の課題に対して、自ら培ってきた知識、経験、ネットワーク等を活かし、ビジネスの手法を用い収益もあげながら解決を目指す、ソーシャルビジネスによる起業に関心がある方が近年増えています。そうした方を対象とした、川崎市ソーシャルビジネス連続講座「『K-NIC Social Business School(全6回)」を2022年10月から12月にかけて、Kawasaki-NEDO Innovation Centerにおいて開催しています。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。
第2回 10月20日 社会問題をビジネスで解決するには ~技能実習生の働き方を変える、むすびばの教室とは?~
本イベントではソーシャルビジネスを如何にビジネスとして成立させ、成長させていくか。事例を用いながらお伝えしていきます。第2回目の今回は、むすびば株式会社 代表取締役社長 相原 恭平 氏 に語って頂きました。
簡単に概要を纏めましたので、気軽にご一読いただければ幸いです。
簡単に概要を纏めましたので、気軽にご一読いただければ幸いです。
講師プロフィール
むすびば株式会社 代表取締役 相原 恭平 氏
株式会社むすびば
技能実習生オンライン日本語教室
https://musubiba.life/
大学1年時にスリランカでの国際ボランティアを通して海外貧困層の現状を知る。貧困問題に対して何ができるか知るために1年間休学してベトナムとインドでボランティア活動をする。ベトナムでの出会いから、技能実習制度にかかわる課題を解決すると心に決め、2020年ボーダレス・ジャパンに新卒で入社。2021年5月に日本語教育を通して技能実習生の失踪問題を解決するためむすびば株式会社を創業。
株式会社むすびば
技能実習生オンライン日本語教室
https://musubiba.life/
大学1年時にスリランカでの国際ボランティアを通して海外貧困層の現状を知る。貧困問題に対して何ができるか知るために1年間休学してベトナムとインドでボランティア活動をする。ベトナムでの出会いから、技能実習制度にかかわる課題を解決すると心に決め、2020年ボーダレス・ジャパンに新卒で入社。2021年5月に日本語教育を通して技能実習生の失踪問題を解決するためむすびば株式会社を創業。
目次
・技能実習生という問題について
・むすびばのビジネスモデル
・今後の展望
・起業するうえで大切な事
・むすびばのビジネスモデル
・今後の展望
・起業するうえで大切な事
技能実習生という問題について
そもそも、技能実習制度とはどのような制度なのでしょうか。
技能実習制度とは、開発途上国への技術転移を目的とした制度です。日本に、技能実習生は約40万人仕事に従事しており、そして彼らは、製造の下請け、建設現場、農業などの生活に密接な仕事をしています。
しかし、技能実習制度には制度上の問題が存在します。
それは、実習生がストレスを抱えやすいことです。技術転移を目的としているので、転職が禁止されていることや、平均80万円借金をしていること。それらに加えて、実習先の企業の情報を知らずに実習に行く等の現状から、技能実習生がストレスを感じやすいという問題があります。
その結果、失踪してしまい、1年間で9000人もの技能実習生が勤務先から失踪してしまいます。加えて、失踪した実習生は転職が禁止されているので不法滞在となり、強制帰国させられてしまうという問題があります。
技能実習生が失踪してしまう理由としては、相談することでより酷い扱いになってしまう等の心の安全が確保できないことや電話番号を持っておらず、電話が出来なかったり、窓口が空いている時間に電話がかけられないことの管理団体の機能不全や支援機関が少なかったり機能していないことが挙げられます。
技能実習制度とは、開発途上国への技術転移を目的とした制度です。日本に、技能実習生は約40万人仕事に従事しており、そして彼らは、製造の下請け、建設現場、農業などの生活に密接な仕事をしています。
しかし、技能実習制度には制度上の問題が存在します。
それは、実習生がストレスを抱えやすいことです。技術転移を目的としているので、転職が禁止されていることや、平均80万円借金をしていること。それらに加えて、実習先の企業の情報を知らずに実習に行く等の現状から、技能実習生がストレスを感じやすいという問題があります。
その結果、失踪してしまい、1年間で9000人もの技能実習生が勤務先から失踪してしまいます。加えて、失踪した実習生は転職が禁止されているので不法滞在となり、強制帰国させられてしまうという問題があります。
技能実習生が失踪してしまう理由としては、相談することでより酷い扱いになってしまう等の心の安全が確保できないことや電話番号を持っておらず、電話が出来なかったり、窓口が空いている時間に電話がかけられないことの管理団体の機能不全や支援機関が少なかったり機能していないことが挙げられます。
むすびばのビジネスモデル
それでは、むすびばのビジネスモデルとはどのようなビジネスモデルなのでしょうか?
ビジネスモデルは、実習生の受入機関がオンライン日本語教育に料金を支払い、実習生に教育を提供する形態です。
また、日本語で働いている技能実習生を対象にして、日本語が原因でトラブルになったり、孤立していることで失踪してしまう問題をオンラインの日本語教育を提供することで、解決しています。加えて、全国に住んでいる技能実習生に届けることができることで、実習生といつでも連絡を取れるような状態にし、つながりを維持することができるような構造になっています。
加えて、他の日本語教育事業と異なる特徴としては下記の3つがあります。
①現場で使える会話力に特化
②働く姿勢を教育し日本で働くルールができる
③オンラインで実習生と接点を持てる
実際の例として、建設現場で働くロンさんという方がいます。彼は会社で唯一の実習生で、受講前はほとんど日本社員と話すことない状況でした。しかし、日本語教室の受講後には日本社員との交流が増え、受け入れ先の社長からサービスに対する効果を実感したと前向きな感想を得ることができました。
ビジネスモデルは、実習生の受入機関がオンライン日本語教育に料金を支払い、実習生に教育を提供する形態です。
また、日本語で働いている技能実習生を対象にして、日本語が原因でトラブルになったり、孤立していることで失踪してしまう問題をオンラインの日本語教育を提供することで、解決しています。加えて、全国に住んでいる技能実習生に届けることができることで、実習生といつでも連絡を取れるような状態にし、つながりを維持することができるような構造になっています。
加えて、他の日本語教育事業と異なる特徴としては下記の3つがあります。
①現場で使える会話力に特化
②働く姿勢を教育し日本で働くルールができる
③オンラインで実習生と接点を持てる
実際の例として、建設現場で働くロンさんという方がいます。彼は会社で唯一の実習生で、受講前はほとんど日本社員と話すことない状況でした。しかし、日本語教室の受講後には日本社員との交流が増え、受け入れ先の社長からサービスに対する効果を実感したと前向きな感想を得ることができました。
今後の展望
今後の展望としては、建設の職種に特化したプログラムを作成を作成し、一つひとつの業種に特化したプログラムを作成することを実施していきます。
理由は、過去に日本語教育を受けた技能実習生が8人失踪してしまう事があり、日本語教育だけでは問題解決ができないことがわかりました。また、そのうち全ての実習生が建設企業で、建設企業の問題を解決することが技能実習生の問題を解決することに繋がります。その理由としては、業界の特性上、日本語教育では学べないような仕事の全体の流れを理解していないと、仕事をせずに立っているだけという状態になってしまい、その結果、ストレスを感じてしまったり、建設現場の事故で入院してしまうという事が起こってしまうためです。また加えて、わからないことは質問しないこと等の働く姿勢が良くないといった問題もあるので、今後は一つひとつの業種に特化したプログラムの作成を実施してこういった問題を解決していきます。
また、来年からは監理団体事業も行う事を考えています。背景には、技能実習生のオンライン日本語教育から外国人を採用している建設企業の問題解決に移行していくといったことがあり、問題が起きていないかを監視したり、送り出しから最後まで支援をする団体で技能実習生をいい会社に紹介する事業を考えています。以上の事を行い、2030年には失踪者0人の社会を目指します。
理由は、過去に日本語教育を受けた技能実習生が8人失踪してしまう事があり、日本語教育だけでは問題解決ができないことがわかりました。また、そのうち全ての実習生が建設企業で、建設企業の問題を解決することが技能実習生の問題を解決することに繋がります。その理由としては、業界の特性上、日本語教育では学べないような仕事の全体の流れを理解していないと、仕事をせずに立っているだけという状態になってしまい、その結果、ストレスを感じてしまったり、建設現場の事故で入院してしまうという事が起こってしまうためです。また加えて、わからないことは質問しないこと等の働く姿勢が良くないといった問題もあるので、今後は一つひとつの業種に特化したプログラムの作成を実施してこういった問題を解決していきます。
また、来年からは監理団体事業も行う事を考えています。背景には、技能実習生のオンライン日本語教育から外国人を採用している建設企業の問題解決に移行していくといったことがあり、問題が起きていないかを監視したり、送り出しから最後まで支援をする団体で技能実習生をいい会社に紹介する事業を考えています。以上の事を行い、2030年には失踪者0人の社会を目指します。
起業するうえで大切な事
起業する上で大事なことは3つあります。
一つ目は現場の声を聞き続けること。
頭で考えるだけではわからない、本当にするべきことが見えてくるためです。
二つ目は自分の違和感を無視しないこと。自分の感情を無視せず違和感と向き合うことが続けられる秘訣です。
三つ目は理想を描き続けることです。何が社会の問題なのか、それをどうしたいのかの理想を描き続けることが大切です。私たちも元々日本語教育を専攻していたわけではないので、ソーシャルビジネスは思いがあれば、新しい分野を専攻することになっても、続けることができます。
一つ目は現場の声を聞き続けること。
頭で考えるだけではわからない、本当にするべきことが見えてくるためです。
二つ目は自分の違和感を無視しないこと。自分の感情を無視せず違和感と向き合うことが続けられる秘訣です。
三つ目は理想を描き続けることです。何が社会の問題なのか、それをどうしたいのかの理想を描き続けることが大切です。私たちも元々日本語教育を専攻していたわけではないので、ソーシャルビジネスは思いがあれば、新しい分野を専攻することになっても、続けることができます。