K-NIC Social Business School
地域や社会の課題に対して、自ら培ってきた知識、経験、ネットワーク等を活かし、ビジネスの手法を用い収益もあげながら解決を目指す、ソーシャルビジネスによる起業に関心がある方が近年増えています。そうした方を対象とした、川崎市ソーシャルビジネス連続講座「『K-NIC Social Business School(全6回)」を2021年11月から12月にかけて、Kawasaki-NEDO Innovation Centerにおいてオンライン開催しています。
このセミナーは、起業時にメリットが受けられる「特定創業支援」の認定を受けており、所定の要件を満たした方は法律に基づく支援を受けることができます。今回の受講生には、会社員をしながらも社会的な事業に関わるきっかけを模索されている方、個人事業主としてお仕事されている傍ら新規事業を立ち上げたいと検討されている方、持続可能な事業展開と組織運営の課題を抱えるNPOの方など、個性的で幅広い背景や思いをお持ちの方にお集まり頂いております。

第6回 12月15日 ソーシャルビジネスモデル策定&フィードバック

昨今、社会格差をビジネスで解決するソーシャルビジネスが注目されています。しかしソーシャルビジネスで利益を出し、成り立たせるのは非常に難しいもの。
今回のK-NIC Social Business Schoolではソーシャルビジネスを如何にビジネスとして成立させ、成長させていくかを、事例を用いながらお伝えしていきます。
また事例を聞くだけではなく、ご自身の事業プランを作成いただく実践型の講座になっております。
簡単に概要をまとめましたので、お気軽にお読みください!
こんな方におすすめ!
・ソーシャルビジネスによる起業や、事業化に関心のある方
・社会問題に関心が高い方、解決したい方
・新規事業立ち上げを志す方

登壇者プロフィール

ソーシャルフリーランス
一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ アソシエイト・共同代表
土岐 三輪氏

新卒後、ITコンサルティング勤務の後、ベンチャー企業にて環境・CSRコンサルティングに携わる。NPOにて、東日本大震災における地域経済の復興支援事業に1年半、バングラデシュの農村における女性の収入創出事業に3年間従事。社会的インパクト投資、社会起業家のNPOを経て。2019年よりソーシャル分野におけるフリーランスとして独立。社会的インパクト・マネジメントを軸にNPOの伴走支援、SDGsコンサルティング、ソーシャル分野の事業開発を手掛ける。

目次

・事業プランの共有&フィードバック
・ソーシャルインパクトの考え方&ワーク

ソーシャルインパクト

現状の対象者がいて、それから理想の姿、こういうふうにやりたいよねという姿があります。これを達成していくことが皆さんの中でのビジョン、ミッションと重なっているのではないないかなというふうに思います。この現状というのが社会問題。そしてこのソーシャルインパクトの指標となるのが本当にこの現状がありたい姿に近づいているのかということを確認していくことです。

設計図「ロジックモデル」の作り方

ソーシャルコンセプトを考える中で、コミッションや課題、どういったものを提供するのかというところをもう一歩細かく追っていくためにロジックモデルというNPOでよく使っているフレームワークがあります。


一番上にあるのがImpact。これが変えたいことやありたい姿というもの。理想の状況に当たります。その下にOutcome。これは起こしたいことや成果です。その下にあるのがOutput。これはやったことの結果になります。そしてActivityとしての事業。この四つのフレームワークで細かくステップを刻んで見ていくことでソーシャルインパクトの設計図として整えていくというのがロジックモデルの使い方と作り方です。
書き方としては上から順番に作っていく形になるのですが、まず ①インパクト、ありたい姿を掲げるという事でビジョン、もしくは事業における最終ゴールを書くところになります。
このありたい状態を生み出すために、どういった変化が中期的に必要なのだろうかというのを書くのが ②。中長期アウトカム成果を検討するという事です。インパクトやビジョン、ゴールというのは長期的な視点なのでもう少し手前の3年から10年ほどで起こすべき当事者、対象者や地域、社会の変化があれば書きましょう。そしてさらに短期的な成果を検討するのが ③短期アウトカムです。これも当事者の社会の変化というものを1、2年の短期で起こるものとして書いていくという形になります。一番下の事業とアウトプットを検討する。アウトプットというのはその活動をどのくらいのボリューム、頻度、人数をイメージしているかという事です。自分がイメージしていることを書くと、そのために事業の活動としてどのくらいのものを準備しなければいけないのか、どのくらいの資金が必要なのかという事が見えてきます。

事業プランを試す

まず法人化や事業を立てる前に事業プランを試すという事をやっていただきたいなと思います。一日限定であるとか、一人限定であるとかでも構わないので小さく試してみてください。実際にやってみてお金を払ってくださった方がいればどのように感じたのか、なぜいいなと思って受けてくださったのか、というようなお話を聞いていくことで事業プランがより固まっていきます。


以上、イベントレポートでした。この記事が皆様のお役に立つことができれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事に関する問合せ先

団体名
川崎市経済労働局イノベーション推進室
電話番号
044-200-0168
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