起立性調節障害(OD)をご存知でしょうか。起床時に血圧の低下や自律神経の調節ができなくなることで様々な症状が起こる病気です。主に成長期に発症するのですが、深刻な場合は不登校につながることもあります。
ODNetwork-起立性調節障害への理解を広める会-は、この病気への正しい理解を広めることで偏見や勘違いをなくすことを目標に、高校生が活動している団体です。
リーダーのMoyuさん、マネージャーのKanaさん、メンバーのSasakiさんにオンラインでお話を伺いました。
ODNetwork-起立性調節障害への理解を広める会-は、この病気への正しい理解を広めることで偏見や勘違いをなくすことを目標に、高校生が活動している団体です。
リーダーのMoyuさん、マネージャーのKanaさん、メンバーのSasakiさんにオンラインでお話を伺いました。
立ち上げたきっかけは
Moyuさん
私は小学3年生で発症し、そこからなかなか登校することができなくなりました。体調不良と共に精神的にも不安定になり、学校に行けても別室で過ごすといった生活が中学卒業まで続きました。
起立性調節障害は家族や学校からサボりと勘違いされることが多く、しんどいのに無理やり学校へ行かされるという経験もあります。
また、精神と体調が結びついてしまう病気なので、学校に行くというストレスで自律神経が乱れ、体調が悪化しますが、習い事や楽しいことをするときは回復しがちです。その仕組みが理解されずに偏見の目で見られないか怯えていました。
高校生になって症状が改善し、自分の経験を活かそうと病気について調べ始めたのですが、病名で検索をすると一緒に「サボり」「理解してもらえない」というワードが出てくるなど、苦しんでいたのは私だけではなかったのだと思い至りました。
そこで、自分の経験や体験談についてSNSで情報発信していくことで、今苦しんでいる当事者の方が少しでも楽になれるようにしていけたらと思い、この会を立ち上げました。
起立性調節障害は家族や学校からサボりと勘違いされることが多く、しんどいのに無理やり学校へ行かされるという経験もあります。
また、精神と体調が結びついてしまう病気なので、学校に行くというストレスで自律神経が乱れ、体調が悪化しますが、習い事や楽しいことをするときは回復しがちです。その仕組みが理解されずに偏見の目で見られないか怯えていました。
高校生になって症状が改善し、自分の経験を活かそうと病気について調べ始めたのですが、病名で検索をすると一緒に「サボり」「理解してもらえない」というワードが出てくるなど、苦しんでいたのは私だけではなかったのだと思い至りました。
そこで、自分の経験や体験談についてSNSで情報発信していくことで、今苦しんでいる当事者の方が少しでも楽になれるようにしていけたらと思い、この会を立ち上げました。
Kanaさん
私は元々Moyuさんと同じ学校の友達で、この活動を始めた事を知り、手伝いたいと思い参加しました。
Sasakiさん
私も同じ高校で、課外活動の一環でMoyuさんと知り合いました。私も過去に起立性調節障害の当事者だったことがあるので、ぜひ手伝いたいなと思いました。
活動内容を教えてください
Kanaさん
現在はInstagramにて、頭痛の緩和方法やフォロワーさんへのインタビュー記事などを投稿しています。また学校内でオンライン講演会を開いたり、啓発のためTikTokに動画を投稿したり、最近はWEBサイトの立ち上げも行いました。
2020年8月にこの会を立ち上げて以来、外部のイベントに参加して繋がった方や当事者の方、親御さんなど、現在320人程の方がInstagramをフォローしてくださっています。
今自分が起立性調節障害だと判っていない人にも、私達のコンテンツを見てもらうことで、自分のこの症状はもしかしたら…と気づいてもらいたいというのも活動のねらいの一つです。
2020年8月にこの会を立ち上げて以来、外部のイベントに参加して繋がった方や当事者の方、親御さんなど、現在320人程の方がInstagramをフォローしてくださっています。
今自分が起立性調節障害だと判っていない人にも、私達のコンテンツを見てもらうことで、自分のこの症状はもしかしたら…と気づいてもらいたいというのも活動のねらいの一つです。
同じ起立性調節障害でも症状や苦しさは違うものなのでしょうか
Sasakiさん
自律神経系と循環器系の病気なのですが、血液の流れが悪くめまいのひどい人もいれば、自律神経の症状が大きくて朝が辛く起きにくい人もいたり、どちらの器官の不調が強いか、どんな症状が出るかは大きな個人差があります。
また周囲に理解があるか、偏見を受けてしまうかどうかも人によって違います。私がこの病気にかかった時は、小学校の同級生がそのまま中学に持ち上がるような環境だったこともあり、学校に行けなくて落ち込むことはあっても、ひどいいじめはありませんでした。
また周囲に理解があるか、偏見を受けてしまうかどうかも人によって違います。私がこの病気にかかった時は、小学校の同級生がそのまま中学に持ち上がるような環境だったこともあり、学校に行けなくて落ち込むことはあっても、ひどいいじめはありませんでした。
Moyuさん
Instagramから親の理解を得られないといった相談を受けることもあり、置かれている状況は様々だなと感じます。
活動を始められて気づいたことは
Moyuさん
発信を始めたことで、SNS上だけでなく、かわさき市民活動センターを通して大学と事業連携ができるなど、たくさんの人と繋がって活動の幅を広げることができました。
Kanaさん
Instagramを見て手伝いたいと活動に参加してくれたメンバーもいて、ちゃんと届いているんだなと実感できたのが嬉しかったです。
Moyuさん
私の母も今思えば過去に起立性調節障害の症状があったようですし、まだまだ病気と気づかず不登校などに悩んでいる人も多いでしょうから、もっと認知度を上げていかなきゃと思っています。
現在の目標について聞かせてください
Moyuさん
活動の最終的な目標は、現在苦しんでいる当事者が、体調面も精神面でも病気を乗り越え、自分の将来なりたい姿を見つけて実現するまでのサポートをしていくことです。そのためには、当事者だけでなく周りの人もこの病気について理解したり、様々な体験談を知る必要があるんじゃないかと思っています。
今後についてはイベントを開催したいとメンバーと話しています。当事者は「起立性調節障害だからあれはできない…」「不登校だからこれは目指せない…」と将来を狭く捉えがちなところを、自己肯定感・自己効力感を高めて、可能性を広げていけるようなイベントができたらと考えています。
今後についてはイベントを開催したいとメンバーと話しています。当事者は「起立性調節障害だからあれはできない…」「不登校だからこれは目指せない…」と将来を狭く捉えがちなところを、自己肯定感・自己効力感を高めて、可能性を広げていけるようなイベントができたらと考えています。
Sasakiさん
私も症状が酷かったときは、将来のことなど考えられずに、自分は一日中寝ていて何をしているんだろうと思っていたので、同じように苦しんでいる人を手助けする活動をしていきたいです。
Kanaさん
2022年はSNSの更新を続けつつ、イベント開催に向けて基盤を作っていきたいと考えています。またチラシ・ポスターを小中学生の手に取りやすい場所に配布できるよう話し合っているところです。
最後に伝えたいことは
Moyuさん
起立性調節障害というと名前も難しいし、今は興味を持てない人もたくさんいるでしょうが、Instagramやwebサイトを見て頂き、今後のイベントなど気軽に参加してもらえるよう頑張ります。
Kanaさん
私は当事者ではないとはいえ、周りの人の理解やサポート次第で当事者の生活のしやすさが大きく変わってくると感じたので、「当事者じゃないから関係ないや」ではなく、ちょっと知ってみよう、手助けしてみようという気持ちで興味を持ってもらえたらと思います。
Sasakiさん
当事者だったメンバーが活動していて、年代も近い私達だからこそ伝えられる事、寄り添えるケースがあると思うので、今後も活動を通じて様々なことにチャレンジしていきたいです。