宮前区は「古道の宝庫」
宮前区には古代から近世まで、さまざまな時代の道が通っていたことがわかっています。この講座では地形や地名、旧跡などを手掛かりに、宮前区を通っていた古道の姿を描き、当時の生活に迫ります。座学のほか、実際に現地を歩いて回る企画もあります。
宮前市民館で開催された連続講座「古道から見る歴史講座」を取材しました。
講師紹介
講師の中平龍二郎氏は大山道研究家として、大山道に関する著作があるほか、鎌倉道や古東海道などにも造詣が深く、各地で講演や現地ガイドの活動をされています。
また宮前区歴史文化調査委員会の指導もしておられます。
講座プログラム
平成30年12月~平成31年2月にわたって実施された講座の日程、内容をご紹介します。
第1回 12月6日(木)  オリエンテーション/大山の歴史
第2回 12月13日(木) 大山街道
第3回 12月27日(木) 古東海道・鎌倉街道
第4回 1月10日(木)  地図の使用法
第5回 1月17日(木)  実習道路調査法(屋外)
第6回 1月24日(木)  消滅道路の復元(屋外)
第7回 1月31日(木)  宮前区周辺の古道・街道(1)
第8回 2月7日(木)  宮前区周辺の古道・街道(2)

会場:宮前市民館第4会議室および屋外
時間:14時~16時
講座(座学)の様子
第1回から第3回の講座では、地形的にルートを推測し、その周辺の伝承を調べて検証すべきという「地形と古道の関係」について、また古道探索の手掛かりとなる「尾根道」「自然堤防」「河岸段丘」の特質、道も川も地形も変化すること、そして「大山道」「古東海道」「鎌倉街道」の解説、「道は生き物である」という講義がされました。(講座記録より抜粋)
1月10日(木)の第4回講座「地図の使用法」を見学しました。
授業前半では
・地図とは何か
・地図には多くの種類がある
・地図の縮尺とは
・地図の方位とは
・地図の図式とは
・地図の縮尺とは
・地図の等高線(コンター)とは
・水準点と三角点
・経度、緯度とは
等の項目について講義されました。
皆さんとても熱心に聞いておられ、休憩時間には大勢が講師を取り囲み質問が途絶えることがありませんでした。
休憩後の後半では、野外調査に向けて、地図の使い方、古道・街道の特徴、調査時の注意点などの説明の後、屋外調査対象の「持田谷(もちだやと)」「浦谷(うらやと)」「トーボシ谷(とーぼしやと)」「三又(みつまた)集落」等について、谷戸(昔は「谷」一文字で「やと」と読んだ)の特性、集落の成り立ち、形状やかつての農耕の様子、変遷と現在の様子等について詳しく話されました。
講座(ウォーキング)の様子
1月24日(木)は2回目の屋外講座「消滅道路の復元」を同行取材しました。梶ヶ谷駅から宮前平駅まで、末長の庚申塔(こうしんとう)―宮崎大塚古墳―三又集落と庚申塔―陣屋跡(じんやあと)―札野坂―一里塚(いちりづか)―八幡坂―八幡神社―小台坂と、およそ4.2キロを歩き大山道をたどりました。古道の多く(40%以上)は、宅地や道路の整備のため元の道が失われています。残されている部分や、先日学んだ地形の特質から推察される昔の古道をたどりながら、歴史の変遷に思いを馳せました。
地形の特質等と照らし合わせると、昔の人々が何故ここで暮らし、ここを「道」としていたのかが浮かび上がってきました。
冷たい風が吹く日でしたが、皆さん弱音を吐く人もなく、和やかに話を弾ませながら当日の終了地点に到着しました。
参加者のお話
ウォーキングしている間に受講生の方々からたくさんのご感想を聞くことができました。
・歴史を学ぶだけでなく、地図や地形と併せて見ていくと、新たに見えてくるものがあるんですよ。面白いですねえ。
・3年前に引っ越してきたんです。自分の住む町のことを知りたくて受講しましたが、近隣の友達もできて嬉しいです。
・家にこもっていてはいけないと思って参加しました。日頃歩いている道にも歴史があったとわかり、散歩も楽しくなりますね。
・もともと歴史は好きでしたが、中平先生のお話は造詣が深くて興味が尽きません。

皆さんとても満足されているようでした。
担当者のお話
テーマを決めるときに「古道」というテーマで人が集まるか心配でしたが、募集開始すると2時間ほどで満席になり嬉しい結果でした。
参加者の年代は50~80代でした。多かったのは60~70代です。男性が16名、女性が14名でした。公募する講座等では、一般的に女性の参加率が高いことが多いのですが、男性が過半数というのは珍しいです。
思ったより地図のことに詳しい方が多くて、かなり深い質問なども出ていましたね。この講座に参加した方々が得られた知識を、他の方に広め、生かしてくだされば嬉しいです。
区内には宮前区の歴史について調べたことを、広報物等の形で広く市民に知らせてくれているグループがあるのですが、そういう活動を引き継いでくださればと期待しています。
お問い合わせ
宮前市民館
TEL:044-888-3911
「古道から見る歴史講座」
定員:30名 参加費:無料(別途保険料として100円ほど)
  • 講座の様子

  • 末長の庚申塔

  • 宮崎大塚古墳(南側道路より墳頂へ)

  • セレサ川崎農業協同組合 宮前平支店脇道

  • 講師:中平龍二氏

この記事に関する問合せ先

団体名
宮前市民館
電話番号
044-888-3911
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