終戦から半世紀経った1995(平成7)年、みんなが平和について考えるような場所「平和の玄関口」を作ろうという長崎市出身のシンガーソング・ライター、さだまさしさんの提唱で始まった「NPO法人ナガサキピーススフィア貝の火運動」は、多くの賛同を得て「ナガサキピースミュージアム」を2003(平成15)年に建設し、これを拠点として平和を願う活動を展開しています。
川崎市でも、2018(平成30)年4月に川崎ボランティアグループが発足し、多彩な活動を開始しています。
今年9月から来年3月にかけて多摩区役所、中原市民館、幸区役所、高津区役所、宮前市民館で順次開催しているパネル展「~アフリカ医療活動の軌跡~」の幸区役所会場でお話を伺ってきました。
展示概要
幸区役所展示コーナーは、訪れた人が入口を入って各種手続きの窓口に向かう通路脇となる場所にあります。展示は以下の4つのコーナーで構成されていました。
国立大学法人 長崎大学の活動紹介
長崎大学は1960年代から継続的に、アフリカ・ケニアで様々な支援・研究活動をしています。診療だけでなく現地の医療スタッフの育成を図りながら’’熱帯医学’’の研究を継続するとともに、水産・土木工学など’’生活環境’’改善分野まで支援を拡大しています。
さだまさしさんの楽曲「風に立つライオン」は、この活動をテーマとしており、映画化もされました。
認定NPO法人 ロシナンテスの活動紹介
「認定NPO法人ロシナンテス」設立者川原尚行さんは、九州大学大学院医学系研究科修了後、外務省へ入省し、医務官として赴任したスーダンで、目の前で苦しむ現地の人々を助けたい想いから外務省を辞職し単身で医療活動を開始。2006(平成18)年に特定非営利活動法人ロシナンテスを設立しました。長崎大学と連携を図りながら、スーダン共和国で医療・環境・農業・文化・教育と幅広い形で現地の人々と協働作業を行っています。
「シロアムの園」の活動紹介
「シロアムの園」は和歌山県出身の小児科医 公文和子さんがケニアの首都ナイロビ郊外に開設した福祉施設です。公文医師は北海道大学医学部在学中に訪れたバングラディシュの子どもたちとの出会いから将来発展途上国で働くことを決意。卒業後イギリスで熱帯小児医療学を学び、カンボジア・東ティモールを経た後、主にケニアでの診療・人材育成・予防啓蒙・保健活動に取り組んできました。そして偏見と差別の中で誰からも手を差し伸べられずにいる障がい児たちの姿に心を痛め、2013(平成25)年、地元教会の手を借りてケニア初の障がい児支援施設を立ち上げました。その直後、2014(平成26)年、映画「風に立つライオン」関連取材でケニアを訪れたさだまさしさんと面会し’’意気投合’’、さださんは『風に立つライオン基金』設立を決意しました。現在『風に立つライオン基金』は公益財団法人として、この公文さんの「シロアムの園」や川原さんの「ロシナンテス」らを財政的に支援しています。
「百年先の笑顔へ」
「世界の笑顔」をテーマに、世界各国(現在、約40か国)を飛び回って撮影を続けている大阪在住の写真家北川孝次さんの写真展。病院現場に「芸術で癒しの空間を演出しよう」いう活動(NPOアーツプロジェクト)に賛同し10年ほど前から関西労災病院で展示会を開催しています。
インタビュー
NPO法人ナガサキピーススフィア貝の火運動川崎ボランティアグループ事務局担当の森實節子さんにお話を伺いました。
Q.どのようなきっかけでこのボランティア活動を始められたのですか?
以前は長崎に住んでいて戦争や平和について考えることはとても身近なことでした。それで何か自分にできることとしてピースミュージアムのボランティアをしていたんです。川崎で暮らすようになって、ピースミュージアムが伝えたいと願っていることを川崎の人たちにも伝えたいと思ったのです。
Q.どのような経緯でこのパネル展を開催することになったのでしょう
今年2月に、このパネル展を文京区で開催するにあたって、ぜひ多くの子どもたちにも見て欲しいと思い、学校にチラシを配る手だてについて居住地の多摩区・教育担当の方に問い合わせてみました。すると「そのパネル展を川崎市内でもやりませんか」と言われたのです。一人で取組むのは不安だったのですが、偶然にも迷っているその時に「一緒にやりましょう!」という市内の仲間が現れたのです。それで「やろう!」と決心しました。
Q.区の施設で開催するのはハードルが高かったのではないですか?
多摩区役所アトリウムで開催することを検討しましたら「教育委員会の後援が必要だ」ということでしたが、相談してみると川崎市教育委員会が後援することは可能だとのこと。しかも後援許可をしてくださる部署の方に「せっかくだから市内各区で開催してみては?」と言われて夢中で話を進めてみたら、多摩区、中原区、幸区、高津区、宮前区の5か所で開催できることになったんです。私自身、こんなにスムーズに事が運んでビックリしているんです。
Q.このパネル展の他にどんな活動をなさっていますか?
9月に長尾小学校、西菅小学校、南菅小学校の3校で、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館から「被爆体験伝承者派遣事業」の伝承者の方を派遣していただき、平和学習講座を開きました。大変好評をいただき、1月には住吉小学校等3か所で開催することになっています。学校支援センターのお力を借りながら今後も続けたいと思っています。
Q.来年度に向けての抱負を聞かせてください
当会のモットーである’’未来の子どもたちに平和な地球を!’’を念頭に、市民の誰もが取り組み可能な行動を見出し、一歩一歩実行しながら活動を広げたいと思っています。当面、2017年ノーベル平和賞受賞に貢献した「ICAN」関連のパネル展’’~世界を動かしたヒバクシャ~’’を予定しています。また、紙芝居を通して子どもたちに平和について考えてもらえる時間を持ちたいですね。
 今回「百年先の笑顔へ」の写真を展示している北川孝次さんの写真を病院で展示していきたいと思っています。4月から日本医科大学武蔵小杉病院で展示することになっています。


ありがとうございました。
お問い合わせ
事務局担当 森實節子
メール:morizane@bh.wakwak.com
パネル展 ~アフリカ医療活動の軌跡~
主催:NPO法人ナガサキピーススフィア貝の火運動 川崎ボランティアグループ
後援:川崎市教育委員会、国立大学法人長崎大学
平成30年度開催日程
多摩区役所 9月28日~10月1日
中原市民館 10月9日~10月11日
幸区役所  12月10日~12月12日
高津区役所 2月4日~2月8日
宮前市民館 3月15日~3月20日
  • パネル展~アフリカ医療活動の軌跡チラシ

  • 川崎ボランティアグループの皆さん

  • 展示風景

  • 展示風景2

  • 「百年先の笑顔へ」展示風景

この記事に関する問合せ先

団体名
NPO法人ナガサキピーススフィア貝の火運動 川崎ボランティアグループ
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