「かもしれない」を目指して。
 居心地の良いカフェ、おしゃべりサロン、手作りワークショップ、空き地のマルシェ、行きつけのスナック、道に突如現れた遊び空間。誰もが気軽に集い、出会い、何かが生まれる(かもしれない)。
―そんなステキな「まちのひろば」を紹介します。

第3回目は、川崎駅西口から少し歩いた住宅街にあるベトナム料理店「アジ庵美味1・2・3」。
一見、洒落たアジア料理店が、地域密着型で、子ども達やママ達に温かなおもてなしをしているという情報をキャッチした探検隊は、現場に急行いたしました。
きっかけは「スナック菓子」!
-川崎駅の近くで子ども達は無料でご飯がおなかいっぱい食べられるお店があるとの情報提供を受けて伺いました。こちらでは、どのようなコトをされているのでしょうか?

「『わたし達の地域のリビング~大家族ふるさと食堂』と銘打って、月に一回第4火曜日子どもは高校生まで無料、大人もワンコインで、みんなでお食事が楽しめる食のイベントを行ってます。その他、月水金の夜、土曜日ランチと夜、『ふるさとメニュー』という定食メニューを、子どもさんには無料で提供!しちゃいます。」

-月水金土曜日!?ほぼ毎日子どもさんに無料で提供しているんですね!どうしてやろうと思ったのですか?

「私は、こう見えても、長年、ダンス指導や学習支援など、いろいろな地域で子ども達と接しています。そんな中で、スナック菓子を主食にしている子ども達が多いことに驚き、みんなで食事ができるような環境を作ったら、ご飯をちゃんと食べてくれるかなぁ?と思ったのが、きっかけのひとつです。私は、若いころ、7年間ニューヨークで単身ダンス修行をしてました。偏食の怖さや一人ぼっちで食事する孤独感を今も覚えています。また、このまちで飲食店を始め、お食事中のお客様の笑顔を見る度に、食事は大切だと思うようになりました。そのような中で、大家族でワイワイと集うような賑やかな食堂を作ろうと動き出したんです。とりあえずやってみたら、同じ志をもって協力してくれる人たちが集まってきて、今日に至る!で~す。」
警察も出動!?
-きっかけは「スナック菓子」なんですね(笑)。「大家族ふるさと食堂」のイベントの日はどのくらいの方がいらっしゃるんですか?

「日によりますが、大人、子ども合計で、大体60人位は来ます。店内では席が足りなくなって、店の軒先にもテーブルを出すこともあります。始めてから1年半くらい経つんですが、始めた頃は人が集まりすぎて、少々子ども達の声が響いたのでしょうかね?びっくりした近隣の通報で、警察官が飛んできたこともありました。この道なりで、これだけ子ども達が笑っている声を聴くのは、めったにないですからね(笑)。今では、大家さんをはじめとした近隣の方々の理解も得られるようになりました。理解ある周辺店舗さんから食材、お惣菜、デザート和菓子などを提供していただいたりしています。野菜も川崎の農家さんからとれたての新鮮な野菜を提供していただいて、地域に根差した料理を作っているんです。そして、天候が悪くても、笑顔で、「こんばんは!」「ただいま!」と言ってこの食堂に入ってくる子ども達や参加者さんから、逆に私が元気をもらっているんです。」

-60人!?すごいたくさんの方がいらっしゃっているんですね。開催する上で意識されていたりすることはありますか?

「自分たちのリビングだと思って、誰もが気軽に食堂に来て欲しいと思っています。そうなることで、まさしく食堂の名前にもあるとおり『大家族』になると思うので。昔当たり前のように行っていた、家族で食卓を囲むような、温かい雰囲気をみんなで作っていけたらいいですね。私たちのリビングですから。幼児、児童、中学生、高校生、ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃん…。もちろん食べる事だけではなく、子ども達が地域のおじさんが読んでくれる紙芝居を楽しんでいる間に、ママたちは食後の会話を楽しむ。いつもは、お仕事で忙しいパパも、月一回地域との接点を見つけられる。そんな場になるといいなと思ってます。」
キッチンカーで大家族を広めたい!
-本当の「大家族」を作られているんですね。これからどのように取組を進めていく予定でしょうか?

「この場を必要としてくれている人たちやボランティアとして支えてくれている人たち『みんな』の食堂として、とにかく続けていきたい!継続は力なりですからね。『志』を同じくし、『主体的』に動いて地域を盛り上げていこうという方々の力が、この活動には一番必要だと思ってます。実はね、ここに来れない方たちにも同じように大家族を感じれるようなキッチンカーによる交流の場「移動型~地域のリビング」の実現にむかって、ミニプロジェクトが始まってます。まだまだ、乗り越えないとならない壁がありますが、私も、アクティブシニアの一人として、これから益々頑張らなくっちゃね(笑)!」 


お料理を作る合間にお話をしていただいた黒江さん。
取材当日は誕生日を迎えたばかりの日で、この日もお客さんからプレゼントやお祝いの歌を送られ、地域のお母さんのような存在でした。
明るくハキハキした黒江さんの声がお店を飛び出して、まちのいたるところでキッチンカーから聞こえてくる日がすぐそこまで来ています。

「アジ庵美味1・2・3」では、毎月最終火曜日に「大家族ふるさと食堂」を開催して、子どもに食事を無料で提供しています。次回は12月25日(火)。クリスマスの夜に大家族の暖かな空間をお子様にプレゼントしてみるのもいいかもしれません。そこからまた新たな出会いや予期せぬ動きなどが生まれる(かもしれない)。
  • お店外観

  • 黒江さん

  • ある日のふるさと食堂

  • 紙芝居風景

  • お客さんたち

この記事に関する問合せ先

団体名
協働・連携推進課
電話番号
044-200-2167
この情報をシェアする
SNSボタンをクリックすると別ウィンドウで開きます